・ルックバックの最後の問いかけ『じゃあなんで藤野ちゃんは描いているの?』に対する返事はなんだったのか
・ルックバックにはどんな意味が隠されているの
・この映画で伝えたいことってなんだろう
と、思っていませんか?
実は、私も同じことですごく疑問に思っていました。
実際に映画館でルックバック上映後、すぐにどういう意味だったのか調べたくなりました。
また、漫画も読みたくなってしまいしました。
この記事では、私が映画『ルックバック』と漫画『ルックバック』の両方を読んだ上でのタイトルの意味や最後の問いかけに対する考察を紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでください。
こらちの別記事もよければどうぞルックバックの評価やどんな人におすすめ?映画館で観るべき?
ルックバックのあらすじ
『ルックバック』は、藤本タツキが2021年に発表した読み切り漫画で、友情、成長、漫画、そして喪失をテーマに描かれた感動的な作品です。物語は、二人の少女、藤野と京本の出会いと別れ、そして彼女たちの漫画を通じた人生の軌跡を追っています。
【ルックバック】タイトルの意味とラストの問いかけに対する答えや伝えたいこと
タイトルは4つの意味を持つ
ルックバック(look back)には「(後ろを)振り返って見る」「(過去の出来事などを)回想する」という意味があります。これを踏まえて考察します。
1つ目:物理的に後ろを向く
藤野が亡くなった京本の部屋で後ろを振り向くシーン
このシーンは感動的な場面でありながら視聴者が一番分かりやすくタイトル回収したなって思えるシーンです。
2つ目:京本が藤野の背中を見て成長するシーン
二人が漫画の受賞した帰り道の会話で
京本『じゃぁ私も、もっと絵うまくなるね!藤野ちゃんみたいに』
藤野『京本も私の背中をみて成長するんだなー』のシーン
背中を見て=ルックバックと捉えることができる
3つ目:藤野が絵をうまくなるために描く練習をしているシーン
藤野が京本の4コマ漫画を見て、自分より絵がウマい奴がいるのが許せなくてひたすら絵を描く練習するコマが連続するのだがそのシーンが藤野の後ろ姿を見せるものばかりで、まさしくここでもルックバックのタイトル通り背中を見せている。
4つ目:過去を振り返るシーン
京本が亡くなってから藤野が京本の部屋の廊下で、昔自分が描いた4コマ漫画を見つけた時に過去の自分のしたことに対する後悔するシーン
ここも過去を振り返るという意味でルックバックのタイトル回収していると言える。
ラストの問い『じゃあ藤野ちゃんはなんで描いているの?』に対する答え
結論:この問いに対する答えは明確には存在しないがこの前提を踏まえた上で個人的に考えた問いに対する自分なりの答えを伝えたいと思う
それでも藤野が漫画を描く理由:ズバリ!自分の描いた漫画で喜んでもらえるから
なぜ、そう思うのかは漫画の『じゃあ藤野ちゃんはなんで描いているの?』の問いのあとに
藤野が京本にメタルパレードのネームを渡すのだが、その時に京本が読み終えた後に満面の笑みで藤本の方を向くシーンがある。このシーンこそが問いに対する答えじゃないのだろうか?
自分で苦労して描いたものが喜ばれる。それこそが描くのも好きじゃないし、楽しくないし、めんどくさいし超地味だけど続ける理由だと自分は思う。
だからこそシャークキックの11巻の続きを楽しみにしてくれる人の為に最後は机に向かって漫画を描き続けるシーンで終わったのではないかと考えられる。
『ルックバック』を通じて作者の藤本タツキが伝えたいこと
1. 喪失と向き合うこと
- 物語の中心にあるのは、喪失というテーマです。藤野と京本の友情や共同作業が悲劇によって突然終わることで、藤野は深い喪失感と向き合わなければならなくなります。藤本は、こうした喪失の痛みを描くことで、私たちが人生の中で直面する避けられない現実について考えさせます。それでも、失われたものとの絆や思い出が、未来への力となり得ることを示しています。
2.過去を振り返ることの意味
- タイトルの「ルックバック」そのものが象徴するように、藤本は過去を振り返ることの重要性を強調しています。過去の経験や失敗、成功を振り返ることで、私たちは成長し、未来に向けて新たな道を見つけることができます。この作品では、過去に対する後悔や未練だけでなく、それらを乗り越え、前進する力についても描かれています
3. 友情の複雑さと深さ
友情はシンプルでありながらも、非常に複雑な感情を伴うものです。藤本は、藤野と京本の関係を通じて、友情がもたらす喜び、苦しみ、そして時には競争心や嫉妬といった複雑な感情についても描いています。
これらのテーマを通じて、藤本タツキは人生の複雑さや、それにどう向き合うべきかを問いかけ、読者に深い感動と考察を促しています。『ルックバック』は、単なる物語以上のものを提供し、読者が自分自身の人生について考え直す機会を与えてくれる作品です。
ルックバックの感想
『ルックバック』は、藤本タツキの作品の中でも特に心に深く響く物語でした。この作品は、友情と芸術を通じて描かれる人間の成長や喪失感、そしてそれを乗り越える強さを見事に表現しています。藤野と京本という二人の少女の出会いと別れ、そして彼女たちが互いに影響を与え合う姿は、感動的でありながらも切なさを伴います。
作品を読み進める中で、藤本タツキの巧みなストーリーテリングと感情の描写に引き込まれ、二人のキャラクターに強く共感しました。特に、藤野が京本との出会いを通じて自分自身を見つめ直し、成長していく過程が丁寧に描かれており、その過程には誰もが経験するような葛藤や迷いがリアルに表現されています。
また、喪失というテーマがこの物語に深い影響を与えていることも印象的でした。京本を失った藤野が、彼女の存在や言葉を心に抱きながら前に進んでいく姿には、胸が締め付けられる思いを感じました。しかし、その中にも希望があり、どんなに辛い出来事であっても、それを乗り越えて進んでいく力が人にはあるというメッセージが伝わってきます。
『ルックバック』は、短い作品でありながらも、読む者に深い考察を促し、人生や芸術について改めて考えさせる力を持っています。藤本タツキの描く世界観やキャラクターの内面に触れることで、自分自身の過去や未来を振り返り、これからどう歩んでいくかを考え直すきっかけとなる作品だと思いました。
まとめ
この記事では以下の事を紹介しました。
・ルックバックのあらすじ
・【ルックバック】タイトルの意味とラストの問いかけに対する答えや伝えたいこと
・『ルックバック』を通じて作者の藤本タツキが伝えたいこと
・ルックバックの感想
アニメを観た視聴者の疑問をこの記事で少しでも納得感を得られたり、こういう考察があるんだなとタメになれば幸いです。
もし漫画がまだの方で読みたい方いれば下記のリンクからどうぞ