『超人X』7巻は、氷結の超人・アイスとの戦いから幕を開けます。
トキオとエリィの再会、塔側で動き始めるブラドやバチスタたちの暗躍。
そしてヤマトモリによるオールドマーケット作戦。
物語の大きなうねりが始まる、転換点となる巻です。
過去の超人大戦とアヘンをめぐるゾラの真実が明かされ、パルマとバチスタの禁断の実験によって衝撃の展開へ。
アクションと世界観の掘り下げが一気に進み、ゾラとの最終決戦へ向け、物語はさらに加速していきます。
本記事では、第7巻のあらすじを振り返りながら、物語に込められた重要なテーマについて考察していきます。
超人X7巻のあらすじは?

超人X第6巻では、ゾラとの総力戦を経て、トキオ・アヅマ・エリィの運命が大きく動きました。トキオは「学校を辞めてイワトへ向かう」という決断を下します。
そして時は流れ、17歳になった3人。
氷結の超人・アイスによってエリィが氷漬けにされ、絶体絶命の危機に陥った瞬間。
松葉杖をついたトキオが再びエリィの前に現れたところから物語は再開します。
トキオvsアイス
松葉杖をつきながらI.C.アイスのもとに現れたトキオ。
その視線の先には、氷漬けにされたエリィの姿がありました。
久しぶりの再会も束の間、助けを求めるエリィを救おうとした直後、アイスは、「ランスアイスクル」を放ちます。
氷の刃が鋭く飛来するも、トキオは冷静にリュックで受け止め、身を翻して松葉杖で反撃。
攻防の中、アイスはトキオの手に握られた「アダマンハルパー」に気づきます。
その瞬間、トキオこそ母・ゾラが探し求める獣だと悟ります。
アイスは、トキオの空中からの攻撃に「出し惜しみは命取りになる」と直感。
全身を氷の鎧で包み込み、「冷聖騎士」へと変貌します。
氷の突進を軽やかにかわし、空へとトキオは退避。
空なら安全と考えたその刹那、アイスは鋭い氷の槍を投げ放ちます。
トキオは氷の槍を華麗にかわし、逆に槍を投げ返します。しかし、その狙いはアイスではなく囚われていたエリィ。
氷漬けにされていたエリィの右手が解放され、煙の一撃がアイスを襲います。
煙は「冷聖騎士」の氷をドロドロと溶かし、戦況は一気に逆転。
その一瞬の隙を逃さず、トキオはアダマンハルパーを振り抜き、アイスの左足を鋭く切り裂きます。
「その傷は、治らないぜ」
超人X7巻第37話より引用
冷たく言い放ち、トキオは怪我した足でアイスの顔面を踏みつける。
アイスは崩れ落ち、戦いの幕が静かに下ろされました。
ですが、勝利の余韻は一瞬で終わりを告げます。
ジーンと怪我した足に痛みが走り、トキオはその場で転げ回り悶絶。
その隙を突き、アイスは脱走を図ります。
しかし、籠村・モモマ・アヅマの三人が即座に追撃し、逃走を阻止。
見事、アイスを拘束することに成功します。
そこへ佐藤一郎が現れ、「情報を吐け。さもなくば、僕の権限で処分する」と静かに言い放ちました。
緊張が張り詰める中、追い詰められたアイスは不気味に笑い
「協力しましょう…と言うとでも?」
超人X7巻第37話より引用
次の瞬間、自らの舌を噛みちぎると、地面から現れた謎のゲートに吸い込まれていきます。
トキオたちの攻撃は間に合わず、アイスは、闇の向こうへと消えていきました。
弔いの塔で動く影
逃げ延びたアイスは、ゾラの本拠地・葬いの塔へと帰還していました。
ジングとたわしに連れられ、たどり着いた先には、バチスタ、ナリ、そして長老バドロ・ブラドの姿。
弔いの塔に沈む超人たちの集会が始まろうとしていました。
しかし、ジング、たわし、アイスたちの成果はブラドの期待には遠く及ばず、怒りを買います。
ブラドの一撃が走り、三人の体が柱へ叩きつけられ、重い声で言います。
「おぬしらの怠慢が、ゾラさまの苦しみを増長させているのだ」
超人X7巻第37話より引用
「獣だ。ゾラ様の獣をつれてくるのだ」
その後、塔の片隅でバチスタとナリが密談します。
ゾラの受け皿を見つけなければ塔は崩壊し、この地はヤマトモリ一強になる。
そして、爪弾き者である自分たちの居場所がなくなる。
その危機感を、バチスタは静かに語りました。
ナリもまた、「それはちょっとヤダ」と素直な感情を口にします。
そして、「……ゾラに肩入れしてる理由、他にもあるんでしょ?」
とナリに問われたバチスタは、遠い過去を思い出しながら、ただ一言。
「まぁ、すこしね」
超人X7巻第37話より引用
一方その頃、ヤマトモリに帰還したトキオと佐藤は、窓月子から労いの言葉を受け、対ゾラ特別チームへの参加を打診されます。
しかし、トキオは、「ゾラと話し合うことはできませんか?」と提案。
「災いの真相を知り、協力する道を探りたい」と考えていたのです。
しかし、窓月子ははっきりと告げます。
「ゾラに正しい予言を見る力はもうない。話し合う余地もない」
超人X7巻第38話より引用
黄昏れるトキオのもとへ現れたのは、荷物を運ぶエリィ。
「イワトの英雄さまだなあ〜」
超人X7巻第38話より引用
互いの近況を語り合い、トキオは、ヤマトモリのみんなの元気な姿に安堵しながらも、心の奥ではずっと引っかかっていました。
友達なのに、何も言わずに去ってしまった。
その悔いを押し込めるように、エリィへ静かに頭を下げます。
「ごめん……黙って行って」
するとエリィは、少し驚いたように目を見開き、すぐに笑いました。
「何言ってんだよ。お前が帰ってきてオラ、すげー嬉しいんだぞ」
超人X7巻第38話より引用
差し出された手を、トキオはしっかりと握り返す。
その瞬間、止まっていた時間が、少しだけ前へと動き出しました。
その後、ヤマトモリの廊下を歩いていたトキオとエリィは、アヅマと鉢合わせます。
「アーサー・ワンが呼んでる。18時から会議だ」
ぶっきらぼうにそう告げて立ち去ろうとするアヅマに、トキオは、「俺も参加していいのかな?」と声をかけました。
「僕が決めらることじゃない…まぁいいんじゃないか?」
超人X7巻第38話より引用
アヅマとの間には、まだぎこちない距離がありました。
オールドマーケット作戦
一方、ミナミ市クズニ地区の薄暗い部屋で、超人ゾンビメーカー・パルマは、一体の死体に自分の血を点滴します。
やがて死人は動き出し、パルマはまるで商品のように死体を段ボールに詰め込みました。
その頃、ヤマトモリでは、本部で会議が開かれます。
「時は来た」
超人X7巻第38話より引用
砂の超人・アーサー・ワンの合図で、オールドマーケット作戦が始動しました。
オールドマーケットとは、戦後に禁止品が出回るようになったヤマト最古の闇市です。
いまでは超人たちが護衛として雇われ、法ですら介入できない完全な聖域と化していました。
そんな中、トキオは疑問を抱きます。
なぜオールドマーケットとゾラがつながっているのか。
その理由は、ゾラが薬物中毒であることにありました。
物語は80年前の超人大戦へと遡ります。
クイーム率いるゲルタ軍は超人部隊を編成しましたが、どれほど強靭な超人でも「痛み」だけは避けられませんでした。
長期の戦闘で苦痛に苛まれた兵士たちは、レイズ(蘇生)を拒むようになったのです。
そこでクイームが目を付けたのがアヘン。
痛覚をおさえて兵士の士気を高めるため、ケシ畑の豊かなヤマト侵攻を狙いました。
しかし、ヤマト侵略を阻んだのがソラ・シルハ(ゾラ)でした。ソラの活躍でクイームは敗れ、ヤマトは守られますが、皮肉にもソラ自身が戦いの痛みからアヘンへ手を染めてしまいます。
感覚を麻痺させ、やがて人間性までも失ったソラの姿は、戦争の残酷さを物語っています。
戦後、ケシ栽培は禁止されましたが、塔の連中は密かにゾラのために栽培を続けていました。
さらに調査で、オールドマーケットで流通する麻薬とゾラの使用するケシ製品が一致することが判明。
つまり闇市とゾラの間に明確な供給ルートが存在するのです。
ヤマトモリはこの流通経路を断ち切り、ゾラの力の源を絶つべく、ケシ畑の特定と供給停止を目的に作戦を立てました。
会議後、トキオは一人考え、問いかけました。
「作戦は、いつから?」
超人X7巻第38話より引用
アズマは、「三日後」と答えます。
するとトキオは、やめた方が良いと静かに否定します。
トキオが指摘したのは二つの懸念。
- オールドマーケット側の超人戦力
- ケシ畑の位置
この二つを同時に対処するのは危険すぎると言います。
アーサーは、1. オールドマーケット側の超人戦力に対して、窓様の予言とキーパーの戦力があれば大丈夫だと反論します。
ですが、トキオは相手にも準備期間があると主張。
まずは索敵を優先すべきだと訴えます。
「時間をかければ塔側がまた動く恐れがある」とアーサーが懸念を述べると、トキオは具体策を示しました。
少人数で素早く索敵を行い、他はヤマト防衛に回す。
トキオ自身、イワトで索敵リーダーを務めた経験があると告げ、名乗りを上げます。
「俺がオールドマーケットを偵察してきます」
超人X7巻第39話より引用
「その間、みなさんはヤマトの警備を」
こうしてトキオを中心とした索敵班が結成されました。
最終的に佐藤は期限を切り、「2週間でケシ畑を突き止めろ」と命じます。
こうして、ゾラ討伐に向けた作戦は一気に本格始動するのです。
オールドマーケット潜入


トキオは部屋にこもり、これまで収集した情報を一つひとつ丁寧に整理していました。
そのとき、ノックの音とともに籠村が姿を現します。
「長老と能面…この二つに関する情報が、あまりに少なすぎる」
トキオがぽつりとつぶやくと、籠村は真剣な表情で語り始めました。
「能面のことなら、少し知っている」
超人X7巻第39話より引用
その正体は鵺。
他人の能力を奪い、受け継ぐ存在。
しかし鵺というのは個人の名ではなく力そのものを指す言葉でした。
つまり、かつて籠村の一族を襲った鵺と、今の鵺は別人。
そして、衝撃の事実が語られます。
今、その鵺を継いでいるのは、星サンダークの実弟・バチスタだったのです。

あんなに顔が違うのに兄弟なの意外すぎる!本当に兄弟なのか?
作戦開始から4日目。
トキオは鳩たちのネットワークからオールドマーケットに関する断片的な情報を収集していました。
そして、次の日。
鷲の正宗と共に上空からマーケット全体を見下ろしたトキオは、どこか心が晴れないままでした。
ゾラはかつてヤマトを守った英雄と呼ばれた存在。
それを今、自分たちは討伐対象として追い詰めようとしている。
「ゾラのやり方は、悪い。でも倒すほか道はねーのか?」
超人X7巻第39話より引用
トキオの胸には、正義と現実の狭間で揺れる葛藤がありました。
その頃、パルマは海辺であるものを探していました。
ようやく見つけたそれは、冷たい波間に揺れる一体の死体。
パルマは砂浜へと必死に引き上げようとします。
そこへ偶然、アヅマが現れます。
パルマは動揺し、「通報されたら……」と焦ります。
ですが、アヅマはただ穏やかに「よかったら食べます?」とコンビニのおにぎりを差し出しました。
死体は通報され、名刺を渡して去るアヅマ。パルマは安堵します。
その夜、パルマのもとにバチスタが姿を現します。
「舌を切らしてしまって…また譲っていただきたいのですが…」
超人X7巻第39話より引用
パルマは舌を差し出し、さらにバチスタは問いました。
「あなたの商品は、薬には反応するのでしょうか…?」
超人X7巻第39話より引用
「蘇生後は人間と同じように反応します」とパルマは答えます。
すると、バチスタが取り出したのは超人覚醒剤・ゼンバー。
従来の配合よりも強力なものに改良する計画を立てていたのです。
パルマは研究協力を承諾しますが、死体の在庫がないと告げます。
それを聞いたバチスタは何体必要なのかと聞きます。
パルマは、「これ全部試すなら、80人は」と言います。
「お任せください。どうにかします」
超人X7巻第39話より引用
バチスタはそう言い残し、闇に消えていきました。
作戦開始から6日目。
いよいよトキオたちの調査が始まります。
同行するのはサイキック超人・マイケル、蟲の超人・ミケランジェロ。佐藤は遠隔から思念で支援していました。
オールドマーケットの入口で商人に声をかけますが、「今は切らしてる」と軽くあしらわれます。
売る側も警戒している様子でした。
しばらく歩くと、路地裏の屋台から「なんでもあるよ、チキン、ギョーザ!」と声がかかります。
オールドマーケットでは、下記の隠語を意味しています。
・ギョーザ=大麻
・チキン=覚醒剤
・ハンバーガー=アヘン
店に入ると、スーツ姿にサングラスをかけた二人組の男が現れ、「何が欲しい?」と言われます。
トキオは、「ハンバーガーはないか?」と返すと、奥の扉へ案内されます。
しかし扉の向こうで、男たちは一斉に襲いかかってきました。
トキオは瞬時にマイケルへテレパシーでバリアの指示を送り、先制攻撃。
正体がただの買い手ではないと気づかれ、潜入は戦闘へと変わります。
「キーパーだ。お前ら、つかまえるからな」
超人X7巻第40話より引用
トキオの一声で男たちは逃走。
片方はトキオが拘束し、もう一人はマイケルのサイコキネシスで足止め。
しかし男は抵抗を続け、銃を抜いて発砲。
トキオは身を挺してマイケルをかばい、銃弾を手で受け止めながらも、力で男をねじ伏せました。
パルマの実験と新たな脅威

二人組の男を捕らえたあと、トキオはそのまま店に腰を下ろし、まるで勝利の晩餐のように食事を始めていました。
「人んちのもん勝手に食うなよ」
超人X7巻第40話より引用
呆れたように言うマイケルに、トキオはさらりと返します。
「まだ戦うかもしれねーし、腹ごしらえぐらいしとけって」
結局、マイケルとミケランジェロも席につき、三人は食事を囲む。
「なぁ、あのグラサン野郎……なんで襲ってきたんだ?」
超人X7巻第40話より引用
マイケルの疑問に、トキオは箸を止めずに淡々と推測を口にします。
「佐藤さんが俺らに失敗させた」
驚くマイケルにトキオは、続けて言います。
「最新のドラッグがそこらで手に入るのに、わざわざ戦前からあるアヘンを欲しがるヤツなんかヘンだろ?売人組織か、塔側の警護長みたいなのが警戒するように指示してる。」
超人X7巻第40話より引用
食事を終えると、トキオは「売人に関係ありそうな超人を確保できたこと」を佐藤に連絡します。
一方その頃、約束通りバチスタが80体の死体を調達し、パルマは超人覚醒剤ゼンバーを使った実験を開始しようとしていました。
しかし、結果は不安定で数値が定まらない。
そんな中、被検体66番に異常な反応が現れます。超人化の兆しでした。
「……鎮静剤、多めに打っとこう」
超人X7巻第40話より引用
不穏な胸騒ぎを覚えながらも、パルマは一度研究を中断し、風呂に入り仮眠を取ります。
夢の中で、パルマは幼い頃の記憶を見ます。
生まれ故郷・モースで、父と母の遺体を抱えながら、ただ一人生き延びたあの日。
そのときすでに、パルマは死を経験し、超人として蘇っていた。
ガスマスクをつけた医師団に拾われたあの日から、パルマの運命は変わったのです。
「死んだ人が、生き返ったらいいのに」
それは幼いパルマの願い。
失った人と、永遠に一緒に生きたいという、壊れた祈り。
目を覚ましたとき、パルマの腕には鋭い痛みが走ります。
見下ろすと、被検体66番がその腕を噛みちぎっていたのです。
「……っ!!!」
突き飛ばされた被検体は、バキバキと音を立てながら異様な成長を始めます。
「まんもむもま……」
超人X7巻第40話より引用
不気味な声を発し、理性の欠片も感じさせないその存在が、パルマに襲いかかってきます。
パルマは必死に逃げるも、下半身を切断され、上半身が床に転がる。
必死に上半身と下半身をつなぎ、レイズを試みるも、被検体の追撃が止まらない。
食いちぎられ、意識が遠のく中、パルマの指先から「ゼンバー」がカランと音を立てて転がる。
パルマは震える手でそれを掴み、自分の首へと注射を打ち込んだ。
ドクン――!
肉体が激しくうねり始める。
次の瞬間、パルマの体は人の姿から、異形へと変貌を遂げます。
その頃、トキオのもとに超人反応が届く。
「……この反応、なんだ?」
新たな脅威の胎動に、トキオは不穏な気配を感じ取っていました。
超人X7巻の考察2選!ネタバレ解説あり

『超人X』第7巻は、氷結の超人・アイスとの壮絶な戦いから始まり、「オールドマーケット作戦」が始動。
闇市の裏に潜む超人組織との接触、ゾラとアヘンをめぐる過去が明らかになっていきます。
今回は、第7巻に張られた下記の2つのテーマを中心に、ネタバレ込みで徹底考察していきます。
- 名探偵コナンのオマージュ
- パルマの超人化
名探偵コナンのオマージュ

7巻の冒頭では、「オラは乙田エリィ」という印象的なセリフがあります。
このセリフは、名探偵コナンの名台詞「俺の名は高校生探偵・工藤新一」の構成を意識したオマージュ演出だと考えられます。
この演出は第6巻の冒頭でも見られ、「俺の名は黒原トキオ」と、トキオ視点で語られていました。
つまり、前巻から引き続き、冒頭を自己紹介で始めることで、読者を一気に物語の世界へ引き込む導線が意識的に仕込まれているのです。
自己紹介から物語を始める型は、キャラクターの存在感を強調し、緊張感のある本編への没入感を高める効果があります。
それと同時に、本作特有のシリアスな展開に遊び心をさりげなく混ぜ込むことで、読者をクスリとさせる余白を作っている点も巧妙です。
単なるパロディではなく、世界観の厚みを増すための計算された演出。
これも石田スイ作品らしさの一つといえるでしょう。
実際の名探偵コナンの名台詞は、以下の動画から確認することができます。
パルマの超人化

7巻第40話では、超人・ゾンビメーカーパルマが自らゼンバーを投与し、異形へと変貌する衝撃的なシーンが描かれました。
ここで注目すべきは、パルマがもともと超人であるにもかかわらず、超人化の薬であるゼンバーを打った点です。

超人がさらに超人化するなんて前代未聞…
今後のゾラの予言と深く関係してくるかも。
ゼンバーを打った直後、パルマの姿は人間の面影を完全に失い、頭部から複数の手が生える異様な姿へと変貌しました。
この造形は、かつてゾラ(ソラ・シルハ)が戦場で痛みを抑えるためにアヘンを飲み続け、次第に感覚と自制を失い、人の姿を捨てていった過去と重なります。
ゾラの現在の姿と酷似していることからも、この現象は単なる肉体強化ではなく、カオス化(理性の喪失と暴走状態)を引き起こしているのではないかと考えられます。
つまりゼンバーは、超人をさらに強化する覚醒の第2段階を誘発する一方で、制御不能な危険を孕んだ薬である可能性が高いです。
これまでゼンバーは超人化の薬として語られてきました。
しかし、パルマのケースでは、人間と超人の境界を壊すトリガーである可能性を強く示唆しています。
まとめ|超人Xは読むべき?7巻の評価と感想

この記事では以下について解説しました。
『超人X』第7巻は、トキオとエリィの再会とともに、氷の騎士アイスとの戦いが描かれます。
さらに、ヤマトモリによるオールドマーケット潜入作戦が本格始動し、ゾラの力の源であるアヘンの供給網と80年前の「超人大戦」の真実が語られます。
一方、バチスタとパルマの禁断の実験も進行し、パルマがゼンバーを投与して異形化する衝撃の展開へ。
ゼンバーの危険性とゾラの過去が重なり、不穏な伏線が張り巡らされています。
次巻では、パルマの変貌を通じて物語がどのように動いていくのか大きな見どころです!

