『超人X』第6巻は、弔いの塔でのゾラとの総力戦、トキオの「イワト行き」という決断。
そしてアヅマとエリィの活躍を通して、物語はこれまで以上に深みと緊張感を増していきます。
激闘の果てに訪れる別れ、そして17歳となった3人の再会への布石。
さらに、ハイジャック事件や氷結の刺客との対決など、新章への導入も怒涛の展開で描かれます。
本記事では、第6巻のあらすじを丁寧に振り返りつつ、物語に込められたテーマについても考察していきます。
ネタバレを含みますのでご注意ください!
超人X6巻のあらすじは?

第5巻では、元ヤマトモリの英雄・聖母ゾラの血こそが、トキオとアヅマの超人の力の源であるという衝撃の真実が明かされました。
さらにゾラは、ヤマトの滅亡を示す「黒き災い」の予言を語り、その未来を回避するためにトキオへ「獣の徴」を継ぐよう迫ります。
しかし、力を受け取るか迷うトキオに対し、ゾラはついに強制的に力を授けようと襲いかかる。
トキオたちと、ゾラの戦いが幕を開けます。
ゾラの襲撃
ついに、弔いの塔で聖母ゾラがトキオ・アヅマ・エリィの3人へ襲いかかります。
必死に逃げる3人を追うゾラは、なんと自らを「聖母」と崇める僧侶たちさえも蹴散らしながら追撃してきます。
「どこが聖母だよ」
超人X6巻第34話より引用
「仲間ぶっ飛ばしてんじゃねぇか」
思わずエリィが叫びます。
しかしその後、ゾラが「ピィーン」と謎の信号を放つと、僧侶たちは祈りを捧げながら恐竜のような骸骨姿に完全獣化。
凶暴な群れとなって3人を襲うも
アヅマの一閃によって敵を一掃し、なんとか突破口を開きます。
そして、塔の外へ逃れようとした瞬間、
ゾラが巨大な顔を塔の外に突き出し、トキオへ攻撃を仕掛ける。
謎の光線を浴びたトキオはゾラのもとへ引き寄せられ、
「獣の徴」を強制的に与えられそうになります。
しかし、間一髪でエリィの攻撃がゾラを阻み、トキオは解放され再び逃走を開始。
「大丈夫かトキオ!」
超人X6巻第34話より引用
追撃を止めないゾラに対抗するため、
アヅマとエリィは息を合わせ、空を飛んで逃げる作戦を立てます。
飛行能力を得たトキオにアヅマが乗り、3人は「せーの!」で空へ飛び出しました。
しかし、その自由は一瞬。
星・バチスタが重力操作で3人の動きを完全に封じ、ゾラが生成した鉄の檻が3人を閉じ込めます。
ゾラは冷たい声で言い放ちました。
「死になさい」
超人X6巻第34話より引用
檻はミシミシと音を立てながらエリィとアヅマを押し潰し、絶体絶命の危機に。
それを見たバチスタは、「始末するのであれば私に譲ってほしい」とゾラに願い出ます。
しかしゾラは冷たく言い放ちます。
「鉄の子(アヅマ)は構いませんが、ぬすびと(エリィ)は放置できません」
超人X6巻第34話より引用
バチスタは承諾しますが、その胸の内には「ひとつでも多く力を奪いたい」という下心がありました。
ゾラはエリィの檻をさらに押しつぶし、トキオは必死に叫びます。
「やめろ……なんでもするよ!徴もらうから……!」
超人X6巻第34話より引用
しかしゾラは一切手を緩めず、圧迫はさらに強まり、エリィの腕からは骨がのぞくほどに。
追い詰められたトキオの精神がついに限界を超え、カオス化が発動。
檻を切り裂き、ゾラに反撃を仕掛けようとします。
しかし、ゾラは「金剛星刀(アダマンハルパー)」を抜き放ち、
圧倒的な力でトキオを叩き伏せます。
「もうダメだ……」と3人が絶望したそのとき、ある男が戦場に現れるのです。
最強の男・星サンダーク登場

絶望が支配する戦場に、ゴォーッと轟音とともに現れたのは星・サンダーク。
凄まじいスピードで戦場へ突入したサンダークは、ゾラに向けて必殺技「無疵天則(インテグラル・コスモ)」を放ちます。
無疵天則(インテグラル・コスモ)は、使用者が攻撃対象として認識しないものには一切の損傷を与えない特殊な技。
時空を一瞬で膨張させて発生させる超小規模な宇宙爆発であり、超次元的な操作によって「破壊しながら破壊しない」という矛盾を両立します。
まさに、一級の超人のみが使える究極の技です。
サンダークはアヅマに
「黒原くん(トキオ)たちの手を離すなよ」と声をかけると、すぐさまバチスタとの重力戦に突入します。
お互いが重力を操る超高度な攻防の中、
サンダークは「重力相撲なら結果は見えてるぞ!バチスタ!」と叫び、
圧倒的な力でバチスタの腕を弾き飛ばします。
さらに、「瓦礫よ!こい!」と叫び、「超合星投擲計画(スプートニク)」を発動。
重力操作で集めた瓦礫の塊を投げつけますが、
バチスタは「ケイト・ネイザーズホール」で防御。
「芸の数なら俺が上だ。どうせヒマなんだろう…新しい芸を見せてやる」と不気味に呟き、仮面に手をかけます。
その不穏な気配を察知したサンダークは、間髪入れずに重力攻撃を叩き込み、バチスタを遠く彼方へ吹き飛ばすことに成功しました。
残されたゾラは、冷たい声で言い放ちます。
「お聞き、哀れなヤマトの魔女の尖兵ども……お前たちはだまされているわ」
超人X6巻第34話より引用
そして怒りを露わにしながら、「極獄炎(インフェルノ)」を放ち、サンダークを濃密な煙で包み込みます。
ゾラの言葉に一切動じないサンダークは即座に反撃。
煙を巻き取りゾラへ攻撃を仕掛けますが、ゾラは涼しい顔で「片手で十分よ」と言い放ち、サンダークの一撃を受け止め、もう片方の手で強烈な一撃を叩き込みます。
アヅマたちは息を呑みます。
「サンダークさんでも……ゾラには…」
超人X6巻第34話より引用
倒れながらもサンダークは復活(レイズ)を発動し、再び立ち上がります。
「今のはもらいすぎた……これ以上はまずいぞ」
焦りの表情を見せるサンダーク。
そのとき、脳内に響く声。
「聞こえるかい、サンダーク」
それは、佐藤一郎からの念波でした。
佐藤は援軍が到着したことを告げ、冷静に指示を飛ばします。
「僕は映像共有でサポートする。」
超人X6巻第34話より引用
「サンダークは浮力を頼む」
そして、ヤマトモリの総力を挙げたゾラとの決戦が始まります。
「元とはいえ、敵は超人Xだ。力を過信するなよ」
超人X6巻第34話より引用
ヤマトモリの総力を挙げた戦いは、7時間にも及ぶ激闘となりました。
ゾラを塔から出さず、トキオたち3人を救出することに成功します。
犠牲を払いながらも、ヤマトモリは任務を果たしたのです。
一方、戦いのあと、弔いの塔ではゾラが頭を抱えながら呟きます。
「どうして……」
超人X6巻第34話より引用
その背後にはチャンドラが寄り添うものの、チャンドラ自身も能力をすべて失っていました。
そして、サンダークに吹き飛ばされたバチスタは、新たな一手を打とうと動き始めます。
戦いを終えたトキオ・アヅマ・エリィの3人は、
海辺で並び立ち、朝日を見つめます。
「夢みたいな時間だったな……」とアヅマがつぶやき、エリィは「悪魔だべ」と静かに答えました。
そして、トキオは朝日に照らされながら、2人の前で静かに告げます。
「……俺、学校やめるわ」
超人X6巻第34話より引用

壮絶な戦いを経て、それぞれの運命が大きく動き出す瞬間でした。
トキオ、イワトへの旅立ち
戦いを終えたトキオは、家族に学校を辞める決意を打ち明けます。
すると、姉からは冷静な問いが返ってきました。
「学費を払ってるのはだれ?私とお父さんでしょ。どう、すんの学校やめて?」
超人X6巻第35話より引用
言葉を詰まらせるトキオに、姉は
「気が済むまで休めば…でも9月中には行きなよ」と現実的な言葉をかけます。
心を整理するため、トキオは汐崎とキャッチボールをします。
「学校、辞めようと思ってる」と打ち明けると、汐崎は肩の力を抜いたように笑い、
「サボりながら適当に行けよ」と気楽なアドバイスを返します。
さらに「俺ならふつうに生きる」と言い放つ汐崎の言葉に、トキオはふと空を見上げ、考え込むのでした。
その瞬間、汐崎が全力で投げたボールを片手だけ超人化して受け止めるトキオ。
「俺の腕も落ちたな」と笑う汐崎の一言が、どこか胸に響きます。
帰宅後、父に屋上へ呼ばれたトキオは、
そこで思いがけない言葉を受け取ります。
父はトキオにお金を渡し、静かに言いました。
「やめてもいいぞ、…学校。お前が本気なら…」
超人X6巻第35話より引用
「どんなかたちであれ、人生には自分にふさわしい結果がついてくるらしい。」
「行きたい場所に行って、やりたいことをやればいい」
この言葉がトキオの背中を押しました。
その後、トキオは星サンダークのもとを訪れ、まっすぐな眼差しでこう告げます。
「七州で一番、治安の悪いところに行きたい」
超人X6巻第35話より引用
その言葉に反応するように、車椅子に乗った佐藤一郎が姿を現します。
「あそこは超人犯罪が七州で一番多い場所だ」
佐藤が口にした地名は、「イワト」
続けて佐藤は、サンダークに視線を向けて言いました。
「サンダーク。君はヤマトの力の象徴だ。ここを離れるわけにはいかない。僕がイワトで、トキオを育てよう」
超人X6巻第35話より引用
そしてトキオに向き直り、穏やかな笑みを浮かべながらも真剣な口調で続けます。
「僕は少し厳しいよ。でも、君をスパルタ兵みたいに鍛え上げる」
超人X6巻第35話より引用
その言葉を受け、トキオはしばらく黙り込み、静かに考え込みます。
それは、未来への大きな一歩を踏み出す決意の前触れでした。
出発の日、モモマと籠村が見送りに駆けつけます。
しかしトキオは、アヅマとエリィには何も告げていませんでした。
「言ったらまた頼っちゃいそうだから」
それがトキオなりのケジメでした。
列車に乗る直前、佐藤から地図を受け取ったトキオ。
籠村が耳打ちします。
「飛んで来いってことらしいぞ」
超人X6巻第35話より引用
地図を見つめ、トキオは深呼吸をひとつ。
「……えーい!!」
「シモン、モモマさん、お元気でーっ!」と涙をこぼしながら叫び、
荷物を置いたまま空へと飛び立ちます。
一方その頃、サンダークからイワト行きを知らされたアヅマとエリィ。
アヅマは「なぜ行ってしまったんだ」という想いを胸に、怒りと寂しさを抱えながらも、
エリィと共に学校とヤマトモリでの日々を過ごしていきます。
そして、時は流れ、3人は17歳に。
それぞれの道を歩きながら、再び交わる未来へと物語は進んでいきます。
ハイジャック事件
物語は1999年6月。
新たな局面から、物語は再び動き出します。
突如、飛行機を襲ったのは改造の超人・刃倶(ジング)と蟲化の超人・南たわし。
2人は乗客全員に冷酷な声で命じます。
「超人だ。座れ」
超人X6巻第36話より引用
その一言で機内は一瞬にして恐怖と緊張に包まれ、誰もが息を潜めて座り込みます。
しかし、その静寂を破るように通路に帽子を被った一人の青年が立ち上がりました。
アヅマです。
「お前、帽子、座れ」「ことば通じない?おい?」とジング。
アヅマは静かに両手の手錠を見せ、「生成」と一言。
その瞬間、ジングは相手が超人だと悟り、自らの腕を銃に改造して発砲します。
アヅマは体を硬化させて弾丸を防ぎ、さらに右手を剣に変え反撃。
鋭い一撃でジングの右腕を切り裂き、蹴りで吹き飛ばします。
互いの正体が明らかになり、緊張感が高まります。
「金髪・眼鏡・鉄…アヅマ・ヒガシか」
超人X6巻第36話より引用
「塔のジングだな」
2人の戦いは激化していきました。
一方、機長室へ向かった、たわしの前に立ちはだかったのはエリィ。
たわしが身構える間もなく、エリィは頭上から濃密な煙を放ち、先制攻撃を仕掛けます。
たわしは煙を振り払い、すぐさま「蟲鎧骨着(がいちゅうこっかく)」を発動。
全身を虫の鎧のような硬質な外殻で覆い、戦闘態勢に入ります。
鋭い爪でエリィを攻撃するたわし。
しかし、斬撃は空を切るだけ。
エリィの身体は煙となり、いかなる攻撃もすり抜けてしまいます。
焦りを見せ始めたたわしの背後に、音もなく回り込むエリィ。
そっと背中に手を置き、低く囁きます。
「私は、ぬすっとだ」
超人X6巻第36話より引用
次の瞬間、「がいちゅうこっかく!」と鋭く叫び、エリィの右手が虫の形へと変化。
たわしの右腕を一閃で切断します。
怒りに燃えるたわしとの激しい乱撃戦。
エリィは攻撃の隙を突いて、再び頭部に煙を浴びせます。
そして、背中に手を置くと、たわしの獣化が解け、戦闘不能に追い込みます。
一方、アヅマとジングの戦いはさらに苛烈に。
ジングは腹部のリボルバーを展開し、弾丸を連射。
アヅマは鉄のシールドで防御します。
一進一退の攻防の末、ジングは左肘の仕込み弾を発射。
アヅマが弾いた瞬間、弾丸が開き糸となって身体を拘束します。
「ヤマトモリのホープがこのざまか…いい眺めだな」
超人X6巻第36話より引用
「なんて言うんだっけ?こういう状況?」
勝利を確信したジング。
しかし次の瞬間、足元から鉄の檻が生成され、ジングは閉じ込められます。
「袋のネズミ」
超人X6巻第36話より引用
銃を構えるアヅマ。機内は静寂に包まれました。
ジングとたわしを制圧したエリィとアヅマは、乗客に安全を告げます。
再び迫るゾラの影
安心したのも束の間、突如機内に大量の蛇が出現し、乗客を襲います。
「アテンションプリーズ、アテンションプリーズ。当機はこれより墜落します」
超人X6巻第36話より引用
これは蛇化の超人・ナリの仕業でした。
ナリはジングとたわしを救出し、姿を消します。
「エリィ、ヤツらを!」とアヅマが叫ぶも、
「救助が優先だ!」とエリィが制止。
3人を取り逃がしたものの、乗客の命は無事に守られました。
「君は乗客を救った英雄だよ」
超人X6巻第36話より引用
アヅマの言葉にも、エリィの表情は晴れません。
「これじゃ、前と同じだ……トキオがいれば、違ったのかな」
アヅマはその名を聞き、ぽつりとつぶやきます。
「トキオ…?」「イワトの英雄か」
超人X6巻第36話より引用
そして、エリィは乗客リストの中に、チャンドラ・ヒュームの名前を見つけます。
それは、かつてエリィを襲った因縁の男でした。
数日後。
街中でチャンドラを発見したエリィは、すぐさま追跡を開始。
チャンドラは逃げる途中で道端に落ちていたスケートボードで全力で逃走します。
その姿は、かつてチャンドラがエリィを追いかけた、あの場面を思い起こさせるものでした。
最終的にチャンドラは下水道へと逃げ込みますが、そこに立ち塞がったのはエリィ。
「襲撃のことを聞かせてもらうぞ」
超人X6巻第36話より引用
しかしチャンドラは
「何も知らん!私は母(ゾラ)に捨てられたんだ!」と叫ぶばかり。
必死に叫ぶチャンドラと対峙するエリィ。
その緊張を切り裂くように、突如、背後から強烈な衝撃が走ります。
エリィの体は吹き飛ばされ、壁に叩きつけられました。
現れたのは氷結の超人・I.C.アイス。
エリィが反撃の煙を繰り出すも、アイスは「アイスリンク」で華麗に回避。
素早く距離を詰めると、足蹴りでエリィを吹き飛ばし、続けざまに「氷牢」を展開。
エリィの手足は氷で固められ、煙を出そうにも封じられてしまいます。
アイスは氷の包丁を生成し、冷たい声で告げました。
「母ゾラが盗人エリィの死を望んでいる」
超人X6巻第36話より引用
氷の刃が迫る、絶体絶命の瞬間。
そのとき、漆黒の羽が一直線に飛来し、アイスの身体に突き刺さりました。
頬から赤い血が静かに滴ります。
「何者だ!」とアイスが振り向いた先には、
松葉杖をついたトキオの姿がありました。
「何者でもない」
超人X6巻第36話より引用

静かに、しかし力強く。
再び物語が、大きく動き出す瞬間でした。
超人X6巻の考察2選!ネタバレ解説あり

『超人X』第6巻は、弔いの塔でのヤマトモリ総力戦からハイジャック事件へと舞台が一気に転がり、緊張は最高潮へと達します。
サンダークの無疵天則が戦いの火蓋を切り、ゾラの「救い」が暴力として露わになる一方で、トキオは学校を辞めてイワトへ向かう決断を下します。
終盤では、氷結の刺客に追い詰められたエリィの前に、松葉杖のトキオが「何者でもない」と現れ、物語は次章への加速を見せます。
本稿では、第6巻に張られた下記の2つのテーマを中心に、ネタバレ込みで徹底考察していきます。
- 名探偵コナンのオマージュ
- 巻末の扉絵について
名探偵コナンのオマージュ

『超人X』第6巻の冒頭、「俺の名は黒原トキオ」という印象的なセリフは、
名探偵コナンの「俺の名は高校生探偵・工藤新一」の構成を意識した演出だと考えられます。
自己紹介から物語が始まる導入の型は、読者を一気に物語世界へ引き込むための強力な手法です。
さらに、キャラクターの関係性にも共通点が見られます。
- トキオ→新一(主人公・語り手)
- アヅマ→蘭(幼なじみ)
実際に、「幼なじみで友達のアズマ」という語り口も「幼なじみで同級生の毛利蘭」と重なっており、構成的なオマージュの可能性が高いといえるでしょう。
こうした他作品へのオマージュは、6巻が初めてではありません。
第5巻でも金色のガッシュベル!!を思わせる描写が見られたことから、6巻の「コナン的自己紹介」も、石田スイ先生による明確な引用・遊び心の一部と考えられます。
緊張感のある本編に、さりげなく仕掛けられたこの遊び心。
それは単なるパロディではなく、読者をクスリと笑わせながら、作品世界に深みを与える計算された演出といえるでしょう。
巻末の扉絵について

『超人X』第6巻の巻末に描かれた扉絵では、8人の登場人物が左右対称に並べられています。
まるでそれぞれが「対」として何らかの関係性を象徴しているような構図になっています。
最上段にはトキオとアヅマ。
これは「親友」かつ「対になる主人公」という、物語の核となる関係を象徴していると考えられます
次の段にはチャンドラとエリィが並び、これは能力の継承や奪い合いといった因縁の構図と重なります。
さらに3段目では、バチスタと籠村・モモマが対になるように描かれています。
まだ明確な関係は語られていませんが、鵺と籠村の戦いなどからも、籠村が強い因縁を抱えていることがうかがえます。
今後、3人には親子や師弟、あるいは血筋といった深い繋がりが隠されている可能性があるかもしれません。
そして最下段では、ソラ・シルハと佐藤一郎が対になるように描かれており、今後の物語で2人の関係が鍵を握ることを予感させます。
この扉絵は、単なる集合イラストではなく、キャラクター同士の関係性と今後の展開を暗示する重要な「伏線」として描かれていると考えられます。
まとめ

この記事では以下について解説しました。
『超人X』第6巻は、物語の大きな転換点となる一冊でした。
ゾラとの総力戦によってトキオ・アヅマ・エリィの運命が大きく動き、
トキオは「学校を辞めてイワトへ向かう」という大きな決断を下します。
そして時は流れ、17歳になった3人。
それぞれの道を歩む中、エリィが絶体絶命の危機に陥った瞬間、松葉杖をついたトキオが登場。
劇的なラストが次巻への期待を一気に高める展開となりました。
ゾラとの戦いは終わっても、物語はイワトという新たな舞台へと静かに、しかし確実に進み始めています。

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